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ニュースは全部、ニュースアプリで読む時代

ニュースは全部、ニュースアプリで読む時代
 アクシャイ・コタリ氏は、スタンフォード大学の電子工学専攻の大学院生活も残り3カ月となっていた今年の春、学校をさぼり、たくさんの単位を落としてしまった。
 コタリ氏は、ビーチでぶらぶらしていたわけではない。学生仲間のアンキット・グプタ氏と共に「パルス・ニュースリーダー」というiPad(アイパッド)用アプリの最後の仕上げと発売に大わらわだったのだ。3.99ドルのこのアプリは、アップルのAppストアのiPadセクションで、たちまちトップの有料アプリになった。二人は、同大学のデザイン研究所での受講科目の一環としてこのアプリを開発した。
 このプロジェクトについてコタリ氏(24)は、「結局、生活すべてをこれに吸い取られてしまった」と語る。
 目下、コタリ氏のような起業家が何人もいて、人々がニュースや情報を知るためにますます利用するようになっているニュースアプリというカテゴリーの創造にそれぞれ一役買っている。Appストアのニュース・カテゴリーでは、パルス、フリップボード、スカイグリッドといったニュースリーダーが、トップ10のうちの5つを占めている。パルスとフリップボードはいずれも、少なくとも50万人のユーザーがいるとする一方、スカイグリッドは、2011年第1四半期にはユーザーが100万人を突破する見込みだという。
 こうした急成長は、クライナー・パーキンス・コーフィールド・アンド・バイヤーズやメイフィールド・ファンドといった一流のベンチャーキャピタリストを引き寄せている。今年7月、フリップボードは、クライナー・パーキンス・コーフィールド・アンド・バイヤーズ、インデックス・ベンチャーズ、ならびにツイッターの共同設立者ジャック・ドーシー氏、フェースブックの共同設立者ダスティン・モスコビッツ氏、ハイテク通の俳優アシュトン・カッチャー氏を含む数名のエンジェル投資家(創業間もない企業に対し資金を供給する富裕な個人)から1050万ドルを調達したことを明らかにした。
 ニュースリーダーアプリ・メーカー各社は、ニュースリーダーが、新聞のコンテンツをモバイル時代に即したものにする方法を提供するとともに、各紙ウェブサイトへとアクセスを誘導することで、悩める新聞業界に新たな収入源を提供する助けにさえなるかもしれないとしている。
 フリップボードの共同設立者でCEOのマイク・マキュー氏は、「われわれはコンテンツの提示方法について発行元を支援し、読者の関心を高める手助けができる」と語る。
 しかし、ニュースリーダーの未来は、知的財産権にまつわる紛争によって早くも暗雲が立ち込めている。パルス・ニュースリーダーは、ニューヨーク・タイムズがアップルに対し、同アプリが同紙のサービス利用条件に違反しているとする書状を送った後、Appストアから一時引き揚げられた。パルスが、パルスのiPad用ダウンロードページに掲載されたニューヨーク・タイムズのスクリーンショットを削除したのを受け、アップルは1日後にパルスを復活させた。
 ニュースリーダーは、発行元のウェブサイトからのニュース配信に基づいている。その目新しさは、モバイル機器のより小型の画面専用につくられた、読みやすいフォーマットでの情報提示方法にある。
 ユーザーは通常、フォローするニュース・ソースやトピックを選択する。すると、新しい記事群が、テキストと写真からなるグリッドにタイル状に表示される。
 タイルをタップすると、テキスト表示のみのバージョンの記事か、ウェブで表示される通りの完全な記事が表示される。ニュースアプリでは、ツイッターやフェースブックを通じ、ユーザーが記事を容易にシェアすることもできる。
 元出版社役員で現在ニューヨーク市立大学ジャーナリズム大学院の准教授を務めるジェフ・ジャービス氏によると、ニースリーダーは、知的財産権問題を克服しニュースリーダー会社や発行元のもうけになる方法を見つけることができれば、強力なニュース配信プラットフォームになりうるという。
 ジャービス氏は、「これは、新たな利便性と新たなユーザー・インターフェースを生み出す好機だ。大衆はそれを支持している。これがうまく行くようにする仕組みを考え出す必要がある」と話している。
 アップルは、パルスをストアから引き揚げた翌日にパルスを復活させたが、その理由については説明しなかった。コタリ氏は、「世間からのばく大な支持が寄せられた翌日に、われわれのアプリは復活した」と語る。
 パルスについてのニューヨーク・タイムズとの話し合いを経て、コタリ氏は目下、双方が協力し合える方法を模索中だという。ニューヨーク・タイムズのスポークスマンは、「パルスは、われわれが抱いてきたあらゆる懸念に応えてくれており、パルス側とはオープンな対話を継続している」と語った。
 コタリ氏によると、同アプリがニューヨーク・タイムズのウェブサイトからコンテンツを取ってきているわけではないことをアップルに説明したところ、パルスをAppストアに復活させることができたという。パルスはむしろ、公衆向けに提供されている、同紙のRSSニュース配信を用いている。コタリ氏は、「ストアからの引き揚げは誤解に基づくものだった」と語る。協力方法について目下ニューヨーク・タイムズと交渉中だとする同氏は、「今は、きわめて健全な関係だ」と話している。
 ウェブ・コンテンツを一層利用しやすいものにするため、一部のニュースリーダー・メーカーはメディア企業と提携している。フリップボードは、ワシントン・ポスト・マガジン、ボナペティ、ABCニュースその他の会社と提携し、ウェブ・コンテンツを雑誌感覚で読めるようにするカスタマイズ可能なテンプレートを用意している。フリップボードでは、スポーツ・イラストレイテッドの水着特集号のiPad版を12月10日にリリース予定だという。パルスは、ハフィントン・ポストと提携している。
 スカイグリッドのCEO、ケビン・ポンプラン氏によると、同氏は目下、スカイグリッド・アプリでのコンテンツ紹介のため、複数の発行元と交渉中だという。スカイグリッドは、同社にコンテンツのカスタマイズを求める発行元とすでに協力している。例えばフル機能のウェブページを表示するよう望む発行元もあれば、携帯電話向けにデザインされた簡易バージョンを載せるほうを好む発行元もある。
 各ニュースアプリは、独自のビジネスモデル開発に着手している。ほとんどの開発陣は、広告と有料コンテンツまたはサービスの組み合わせに頼るとしている。コタリ氏は、「バナー広告は避けたい。ユーザー体験の質を落とさないで利益を上げる方法について考える必要がある」と話している。
 スカイグリッドは、ソニーや、アウディAGの米国部門アウディ・オブ・アメリカInc.といったいくつかの大手広告主と協力している。ユーザーがこのアプリを開くと、フルスクリーン広告が表示される。同社は、さまざまなカテゴリーの広告スポンサーシップも販売している。
 フリップボードのマキュー氏によると、ニュースアプリは、伝統的なバナー広告よりも優れた広告方法をいずれ実現する可能性が高いという。一つの理由は、タブレットPCの、より大型の画面が、ファッション雑誌にあるような、より魅力的で興味をそそる広告の表示を可能にする点にある。フリップボードは目下、オムニコム・グループの一部門である広告代理店OMDと協力して、ペプシ、インフィニティー、ショータイムといった広告主とさまざまな全ページ広告をテストしている。
 マキュー氏は、「ウェブは模様替えが必要だ。発行元がより効果的な広告を行うチャンスが訪れるだろう」と話している。

日経電子版、有料会員10万人突破
 日本経済新聞社は10日、「電子版(Web刊)」の有料会員数が10万人を超えたと発表した。電子版独自記事の拡充やスマートフォンなどへの対応で、3月の創刊から8カ月余りで有料の電子版の購読者数で世界の上位に食い込んだ。有料会員の約3分の2が紙の日経新聞とセットで購読しており、両者を組み合わせた新たな読み方が広がりつつある。
 電子版はインターネットを通じてパソコンや携帯電話、スマートフォン、電子書籍端末などで記事を読む新しいメディア。日経グループ各社や海外有力メディアの記事、データをネットの速報性を生かしながら提供する。
 有料会員数は4月中旬に6万人、7月上旬に7万人を超え、10月に米アップルの携帯電話「iPhone(アイフォーン)」に対応して以降、増加ピッチが上がった。有料会員限定の記事を一定の本数読める無料会員を合わせた登録会員数も60万人を超えた。
 電子版の有料化は欧米が先行した。世界最大となる100万人強の有料会員を持つ米ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は1996年に課金を開始。02年に有料制へ移行した英フィナンシャル・タイムズ(FT)はこれに次ぐ19万人を抱える。日経電子版は今後も独自記事を拡充していく。

シャープ・ソニー、電子書籍用端末発売
 シャープとソニーは10日、タブレット型の電子書籍用端末をそれぞれ発売した。シャープは家電量販店に加えて、コンビニエンスストア約2万4千店にも注文の取り次ぎを委託すると発表。ソニーは26日まで東京と大阪の3カ所の紀伊国屋書店の店舗にも専用売り場を設置する。家電量販店以外にも販路を広げ、米アップルの「iPad(アイパッド)」などを追撃する。
 両社はコンテンツとなる電子書籍などの配信も手掛ける。例えばソニーは主要タイトルについて紙の書籍に比べて3〜4割安い価格で配信するものが多いという。シャープも一部書籍で3〜4割安くしている。
 シャープが発売したのはカラー液晶を使う「GALAPAGOS(ガラパゴス)」。ウェブサイトや郵送で購入申し込みを受け付ける直販方式だ。申込書は家電量販店のほかローソンやファミリーマート、サークルKサンクスなどにも置いて委託販売する。画面サイズ5.5型の機種で3万9800円。
 ソニーの「リーダー」は読みやすく目に負担の少ない「電子ペーパー」を画面に採用した。端末価格はオープンだが、店頭では5型画面の製品が2万円前後となっている。

YouTube、一部ユーザーに15分超える動画の投稿認める
 YouTubeは12月9日、一部ユーザーに対し、15分を超える長さの動画を投稿できるようにすると明らかにした。
 同社は7月に全ユーザーに対して、投稿できる動画の長さを10分から15分に引き上げた。今回さらに、これまでYouTubeのコミュニティーガイドラインと著作権ルールを守ってきた一部ユーザーに対し、15分を超える動画の投稿を認めるとしている。自分のアカウントが対象になっているかどうかを確認するには、YouTubeのページ上部の「アップロード」をクリックする。
 またYouTubeはこの日、動画に吹き出しでコメントをつけられる機能を強化した。新しい編集ツールを導入するとともに、タイル型の吹き出しを加え、フォントや色も選べるようにした。

ネット銀、カードローン低金利で攻勢 規制外で商機
 インターネット専業などの新規参入銀行が個人向けのカードローン商品を拡充している。住信SBIネット銀行や楽天銀行が貸出金利を下げたほか、KDDIと三菱東京UFJ銀行が共同出資するじぶん銀行は自行に口座がなくても借りられるようにした。銀行のカードローンは借入総額を年収の3分の1までとする総量規制の対象外。大手銀よりも低いコストを武器に使い勝手を良くし、顧客の獲得を目指す。
 今年6月に完全施行された改正貸金業法では銀行借り入れなどの一部を除いて個人向け無担保ローンの借入総額が年収の3分の1までに制限された。これを受けて消費者金融専業やカード・信販会社などのノンバンクは審査を大幅に厳しくし、使い勝手は悪くなった。このため金融庁は銀行に対し、無担保ローンの取り扱いを強化するよう求めている。

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