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5年後スマホはなくなる 「iモード」の仕掛け人 夏野 剛氏

5年後スマホはなくなる 「iモード」の仕掛け人 夏野 剛氏
■スマートフォンよりも高機能な“ガラケー”
 「まず言っておきたいのは、巷で言われているようなスマートフォンVSガラケーという対立構造になっているわけではなく、現時点でスマートフォンは“ガラケー”よりもまだまだ機能面で劣っているということ。実際に台数ベースで見てもいまだに“ガラケー”のほうが売れていますよね」
 そう切り出した夏野氏はケータイ・インターネットの代名詞となった「iモード」の仕掛け人として知られる人物。その開発で当時世界の標準技術であったJava、Flash、HTMLといったオープンな新規格を携帯電話に採用。インターネットとモバイルの融合をいち早く実現し、世界の注目を集めた。それだけにこのAndroid OSにも大きな期待を寄せている。「そもそも数年前までスマートフォンといえば、海外では日本のフィーチャーフォンのことを指していました。今でも世界中が日本のモバイル市場に注目しているし、GoogleのAndroid開発チームも熱心に研究しています。それほど日本の“ガラケー”は優れている。だったら“ガラケー”にAndroid OSを積んでしまえばいいんです」
 既に、おサイフケータイやワンセグといった、フィーチャーフォンのケータイの先進的な機能やサービスは、簡単にAndroid端末に搭載できることが証明されている。「5年後にはモバイル端末はすべて融合され、スマートフォンという言葉もなくなっていますよ」
 と、夏野氏は予測する。「これから主導権を握るのは間違いなく、Androidでしょう。Androidというモバイル用OSは、ご存じのように無償でしかも自由に開発でき、オープンな形で提供されています。開発者も世界中で育っていますし、Androidマーケットのようなアプリを販売する仕組みも用意されているので、世界一になるのは時間の問題。日本のメーカーやキャリアは独自規格に固執せず、Android端末の開発に本腰を入れて取り組んでいかないと取り残されていくでしょう」
■この先、スマートフォンに求められる4つの機能
 変革が必要なのはユーザー側も同じ。今のところ、Androidに注目しているのは一部のユーザーだけで、店頭価格が安いという理由だけで、Android端末を購入しているユーザーも少なくない。「ニーズが変化していくのは、これからです。スマートフォンは、過去にケータイでヒットしなかったタッチ操作のGUIと大画面液晶を定着させました。Androidも今後、テレビや電子書籍端末などにも搭載されて対応機器のバリエーションが増えていけば、急速に認知される可能性があります。
 この先、スマートフォンに求められる進化のポイントは4つあります。1つめがドコモの『iコンシェル』をもっと進化させたようなAI(人工知能)。2つめがバーチャルキーボードやディスプレイ。3つめが指紋や虹彩などの生態認証技術。そして4つめが買ったら壊れるまで充電不要のバッテリー、これらが実現されたら最強ですね。
 SFや映画の中にあるようなアイデアであってもいずれ技術が追いつきます。日本の企業は新しい技術や発想をうまく取り入れていいものを作る力がありますから、Androidが主流となった市場で本領を発揮してくれると期待しています」

米アップル、携帯用ソフトを改良 iPadも対応
 【シリコンバレー=岡田信行】米アップルは22日、携帯電話用の基本ソフト(OS)を改良し、最新版「iOS4.2」の無料配布を始めた。高機能携帯電話「iPhone(アイフォーン)」だけでなく、新たに多機能携帯端末「iPad(アイパッド)」にも対応。iPadにマルチタスク機能やメール管理の一元化など100以上の新機能を加え、年末商戦で販売攻勢をかける。
 iOS4.2は、iPadやiPhoneなどを最新のコンテンツ(情報の内容)管理ソフト「iTunes(アイチューンズ)10.1」と同期し、OSを載せ替えて使う。複数のソフトを同時に動かすマルチタスク機能や、複数のメールアカウントを一元管理・表示する機能など、これまでiPhone4に採用されてきた機能をiPadにも追加した。
 iPadから音楽や動画、写真を接続機器「アップルTV」に無線送信して大画面テレビにそのまま表示する機能や、ワイヤレス対応プリンター経由で文書印刷する機能も加えた。
 アップルのスティーブ・ジョブズ最高経営責任者(CEO)は声明で「iOS4.2でiPadは新しい製品に生まれ変わった」としたうえで、「年末商戦にちょうど間に合った」と強調。競合他社が相次いで多機能携帯端末を売り出すなか、iPadの機能強化で攻勢をかける。

日産、ロシア最大手に出資 ルノーと実質経営権
共同生産、12年から30万台
 日産自動車はロシア政府系の自動車最大手アフトワズに10%前後出資する方針を固めた。日本の自動車メーカーがロシアの同業大手に出資するのは初めて。アフトワズにすでに25%強出資する仏ルノーと合わせ、3分の1超を出資する筆頭株主として実質的に経営権を握る。日産・ルノー連合とアフトワズは2012年から小型車を共同生産する計画。資本面での関係を深め、成長するロシア市場で攻勢をかける。
 メドベージェフ大統領の北方領土訪問以降、日ロの経済協力は足元では冷え込む懸念が出ている。ただロシアの自動車市場は金融危機後の需要減から回復、15年には過去最大の350万台を更新するとの予測もある。日産・ルノーは長期的な視点で現地に生産の足場を築き、アフトワズを含めた3社で同国での販売シェア4割を目指す。
 アフトワズはシェア3割弱を握るが、金融危機後に業績が悪化。08年にルノーから10億ドルの出資を受け入れた。現在の出資比率は25%プラス1株で、このほかにロシアの国策会社ロステクノロジー、投資銀行トロイカ・ディアローグがほぼ同率を出資している。日産はこれら大株主2社から計10%前後を買い取る。
 現地の株式市場に上場するアフトワズの時価総額は約17億ドル。10%の出資は単純計算で約140億円になる。日産は今後、買い取り額について詰めの交渉に入る。
 アフトワズの経営再建を巡っては、ロシアのプーチン首相が日産のカルロス・ゴーン社長(ルノー会長を兼務)に追加出資を要請していた。将来は日産・ルノーが出資比率を5割に高める可能性もある。
 アフトワズと日産・ルノーは12年からロシアで小型乗用車を共同生産する計画。車台(プラットホーム)を3社で共通化し、ロシア中部にあるアフトワズの工場で年30万台生産し、それぞれのブランドで販売する。
 日産は09年6月にロシア西部サンクトペテルブルクで新工場を稼働させ、中型セダン「ティアナ」や多目的スポーツ車(SUV)「エクストレイル」を生産している。自社工場では比較的大型の車を生産、小型車ではアフトワズの工場を活用することで生産効率を高める考えだ。今後は3社で開発や部品調達などでも広範に協力を探る。

米テレビ局、番組値上げ巡りCATVと対立
 米複合メディア各社は有力コンテンツを持つ強みを生かして収益拡大を急ぐが、思わぬ摩擦も生んでいる。一部テレビ局がCATVなど配信事業者テレビ番組の供給価格の引き上げを求め、応じなければ番組供給を中止するなどの動きを加速、収益拡大のために人気番組を“人質”にとるメディア側の姿勢を懸念する声も上がっている。
 ニューヨーク市の一部と近郊の約300万世帯で10月、大リーグのワールドシリーズ開幕戦が視聴できなくなる事態が起きた。試合を中継した「FOX」など複数のチャンネルを傘下に抱えるニューズ・コーポレーションが要求した値上げを、同地域でCATV事業を営む大手のケーブルビジョン・システムズが拒否。ニューズ側が番組供給を打ち切った。
 テレビ画面が真っ暗になる「ブラックアウト」は約2週間後、両社の合意が成立した後に解除された。ウォルト・ディズニーなど他の大手メディアも今年に入り、安定した収益を上げるCATVなどに強気の値上げを要求。このため一部の下院議員が米連邦通信委員会(FCC)に規制を求める動きも出ている。

個人マネーの奔流 投資過熱、世界揺らす
 アジアに巨大な経済圏が生まれた。台頭する中間層のマネーが消費や投資を引き上げ、高成長を見込んだ世界の企業もアジアを目指す。アジアは米欧依存から抜け出し自らの手で成長を作り出す道を探り始めた。力を増すアジアとのかかわりが日本の将来も左右する。
「株民」1億人
 タイで「キムチ」が人気だ。キムチは韓国債券に投資するファンドの愛称。「銀行預金の代わりに購入した。キムチは利回りが高く魅力的だね」(バンコク在住の30代男性)。タイの韓国への債券投資は2008年に本格化し、瞬く間に国・地域別の首位になった。債券の保有高は10月末時点で15兆ウォン(約1兆1千億円)強に上る。
 タイと韓国は1997年、資金の流出からともにアジア通貨危機に陥った間柄だ。09年にかけて韓国は再び資金の流出危機に直面したが、豊かになったタイの中間層から資金が流れ込み、危機が和らいだ。銀行大手のクレディ・スイスによると、アジア(日本を除く)の個人資産は10年間で3倍の約41兆ドル(約3400兆円)に増加した。
 なかでも伸長著しいのが中国だ。「股民(株民)」と呼ばれる個人投資家が約1億人もおり、成長企業の株を買い続ける。7月、中国農業銀行が新規株式公開(IPO)したが、調達額(上海と香港の合計)は221億ドルと世界の記録を塗り替えた。「資本増強で3年は融資を拡大できる」(農業銀)といい、農村の産業振興に資金を振り向ける。世界の株式時価総額でトップを争う中国石油天然気(ペトロチャイナ)も上海に上場し、油田開発を急ぐ。中国(香港を含む)の上場株式の時価総額は約500兆円強で日本を上回る。
 かつてマネー不足に苦しんだアジアは成長資金を米欧に頼り、米欧の資金が域外に流出すると経済が凍りついた。中間層の成長で成長資金を自前で調達し、域内で融通し合えるようにもなった。
 だが皮肉にも今度はアジアはマネーの「過剰」に悩み始めた。積み上がったアジアの個人マネーに加え、米国の超低金利政策の副作用で先進国マネーもアジアに流入。制御の難しくなったマネーが世界を揺るがし始めた。
 11月12日、上海株は金利引き上げのうわさから前日比5.2%安と急落、欧米の株式相場も連れ安した。翌週に上海株が反発すると、日米欧も再び上昇。「売買高の半分を占める1億人の株民の動向に欧米市場が振り回され、日本がその後をついていく」(証券会社)
 あふれかえるアジアの個人マネーは思いがけない所にも現れる。「水資源の獲得が狙いなのか……」。北海道倶知安(くっちゃん)町など日本各地で相次ぐ中国人の山林投資。「荒れ地まで買いあさった日本のバブル時のようだ」(上海の日系不動産関係者)。インドでも送金規制をすり抜けた不法な海外投資が後を絶たない。累計の不正送金額が4620億ドルに膨らんだとの推計もある。
暴走どう防ぐ
 「株は購入すべきでない」。バングラデシュのダッカ証券取引所のシャキル・リズビ理事長は株式市場のまとめ役らしからぬ警告を発した。株価は年初から8割強上昇。個人投資家は270万人と1年で倍増した。バブルの発生を恐れるアジア各国はマネーの呼び込みから締め出しに方向転換。韓国は外国人による債券投資の非課税措置を廃止する。インドネシアも外国人が投資対象とする3カ月物の中央銀行債券の発行を停止した。
 アジアの金融市場は発展途上であり、マネーの行く先は株式や不動産に限られている。投資対象の少なさが株式や不動産の過熱を招く。みずほ総研の鈴木貴元・上席主任研究員は「アジアは余剰資金の受け皿として長期債など債券市場の整備が必要」と話す。個人マネーの暴走を防ぎ、次の成長につなげる仕組みづくりが急務になっている。

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