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ゲーム、海賊版対策強化 SCEが「PS3」機能一部制限 任天堂は違法コピー防止
 ゲーム業界がインターネット上にあふれる海賊版ソフトの対策強化に乗り出す。ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)は家庭用ゲーム機「プレイステーション(PS)3」で、パソコンのように使える機能を制限する。任天堂も違法コピーを防ぐプログラムを組み込む。ソフトをネット経由で配信する事業拡大をにらみ、違法ソフトなどによる機会損失を抑える。
 PS3はネット経由でゲームなどのソフトをダウンロードして楽しめるほか、基本ソフトをインストールすれば、コンピューターとして使える機能も備えている。
 この機能を使えばPS3で文書作成や表計算のほか、ソフトのプログラミングなどもできる。ただファイル共有ソフトなどを通じて、PS3上で楽しむゲームソフトがネット上に流出する恐れが出てきた。流出したゲームは、違法ソフトを集めたサイトなどからダウンロードされる懸念もあり、新たな対策が必要と判断した。
 SCEは月内にもパソコンとして使えるOSのインストール機能の利用制限を始める。09年9月に発売された新型機以前のモデル約2000万台が対象。ネット経由で機能を変更する。
 利用者は希望すればリナックスなどのOSを継続して使うこともできる。継続した場合は今後、ネットを通じて更新される様々なコンテンツや、年内にも提供される見込みの3D(3次元)映像などのサービスが利用できなくなる。
 PS3は2006年、当時の久多良木健SCE社長(現名誉会長)が膨大な情報を高速で処理できる「家庭用スーパーコンピューターを目指して開発した。
 ソニーは近く、テレビやパソコン、携帯音楽プレーヤーなどに映画や音楽、3Dコンテンツなどを配信する「ソニーオンラインサービス(仮称)」を始める。PS3向けのゲームもネット配信が主流になっていく見込み。ネット配信事業を新たな収益源に育てるにあたり、開発当時の理念よりソフト流出防止を優先することにした。
 任天堂は携帯型ゲーム機「ニンテンドーDS」シリーズで、海賊版ソフトが使えるようになる装置「マジコン」への対策を強化する。DSに差し込むと違法ソフトでも遊べるマジコンは欧州で普及し、国内でも数千円程度で売られている。任天堂やソフト会社は、正規のゲームソフトの内部に違法コピーを防ぐ特殊なプログラムを組み込む。
 米マイクロソフトも家庭用ゲーム機「Xbox360」で不正にダウンロードされた海賊版ゲームを使用した場合、同社のネットワークに接続できない機能を導入した。

DSソフト被害、世界で3000億円超
 違法ソフトのはんらんは正規のソフトの販売に大きな影響を与えている。社団法人コンピュータソフトウェア著作権協会(東京・文京)によると、海賊版などによるソフト会社の被害は「ニンテンドーDS」用だけでも世界で3000億円を超えるという。
 ゲーム専門誌のエンターブレインによると、国内の2009年の家庭用ゲーム市場(ゲーム機・ソフトの合計)は前年比6.9%減の5426億円にとどまった。多額の開発費用を回収するためにも海賊版対策の重要性が高まっている。

(経営者の目)和田洋一・スクウェア・エニックス社長 新市場への対応必要
 ゲーム業界は不況に強いといわれる。市場データは縮小しているが、高機能携帯電話(スマートフォン)向けなどの新市場が生まれ、ゲーム人口はむしろ増えている。今後はゲームと映像や音楽の相互侵食が加速するだろう。例えば米アップルのiPhone(アイフォーン)では10万種類以上のソフトが利用可能。ゲーム制作に数年かけていては臨機応変な対応が難しい。市場の変化に応じてゲーム業界も意識を変えなければいけない。

中国メーカー吉利が「ボルボ」買収で調印 1620億円 過去最大規模
 【上海=河崎真澄】中国国営新華社通信は28日、自動車メーカー、吉利(ジーリー)汽車の親会社である同国浙江省の浙江吉利ホールディング・グループが同日、米フォード・モーター傘下のスウェーデン高級車ブランド、ボルボを総額18億ドル(約1600億円)で買収することで最終的に合意し、スウェーデンで調印したと伝えた。今回の買収にはボルボの知的財産など関連資産もすべて含む。
 中国政府も買収を承認する見込みで、買収作業は9月末までに完了の予定。中国の自動車メーカーによる海外買収で過去最大規模となる。中国は昨年の新車販売台数が1364万台と、米国を抜いて世界最大の自動車市場になっている。
 吉利の昨年の新車販売台数は約33万台で中国国内10位。吉利の李書福会長は28日のスウェーデンでの会見で、ボルボのブランド力や品質、安全性、環境対応技術を生かして市場戦略を進める考えを表明した。ボルボがもつスウェーデン国内とベルギーの生産拠点を維持する一方で、中国国内に年産30万台規模の新工場の建設を計画している。
 フォードは1999年にボルボを約64億ドルで買収したが、経営悪化を受け売却に乗りだし、吉利と昨年12月に基本合意していた。

パナソニック、プラズマTVパネルをフル生産 3D用本格供給
 パナソニックは薄型テレビの世界需要が回復しているのを受け、基幹部材のパネルを増産する。プラズマパネルの工場稼働率は現在約8割だが、3D(3次元)テレビ向けの供給を本格化するのにあわせ、今秋からフル稼働させる。液晶パネルの新工場(兵庫県姫路市)も稼働を3カ月前倒しし、4月から操業する。
 プラズマパネルの増産は、1月に稼働した尼崎第3工場(兵庫県尼崎市)の月産能力を12万台から今秋に33万台に増強する。隣接する第1、第2工場と合わせた年間の能力は約1500万台となりフル稼働となる。
 2008年秋の世界同時不況の影響で、第3工場の稼働率は抑えていたため、新規投資なしで増産できる。3月から米国を皮切りに発売した3Dテレビ向けの供給拡大をにらむ。
 液晶パネルの姫路工場(兵庫県姫路市)は生産開始を4月に前倒しする。08年秋以降の需要減で稼働時期を今年7月に半年間先送りしていたが、パネルの不足感が強まり稼働前倒しを決めた。年産720万台の茂原工場(千葉県茂原市)と合わせた液晶パネル生産能力は年1200万台と現在の6割増となる。
 パナソニックは中国や東南アジアなど新興国での薄型テレビ需要拡大をにらみ、10年度の世界販売台数を09年度見込み比3割増の2000万台に引き上げる。一方、世界首位の韓国サムスン電子は10年に3900万台(09年見込み比25%増)の販売計画を打ち出している。
 パネル工場の稼働率向上で収益を改善したい考えだが、テレビの販売競争激化で価格の低下が進むのは確実。付加価値の高い3D商戦の行方がテレビ事業の業績改善のカギを握りそうだ。

ソフトバンク、携帯電話の基地局数を倍増へ
 ソフトバンクモバイルは28日、携帯電話の通話や通信品質を改善するため、基地局数を増やすと発表した。2011年3月末をメドに、現在6万局ある基地局を12万局に倍増する。電波が入りにくい家庭や店舗などには超小型の基地局装置を無償で配る。一部の利用者から「つながりにくい」との不満が出ているのに対応する。
 具体的な投資額は明らかにしていないが、ソフトバンクグループの10年度の設備投資額を、従来見通しの3千数百億円から4000億円前後に上方修正する見通し。ウィルコムへの支援で譲渡を受ける予定となっている基地局用地の借地権などを活用し、投資を抑える。

楽天、CD・DVDのレンタル値下げ
 楽天は4月1日、CD・DVDの宅配レンタル事業「楽天レンタル」の料金を値下げする。割安感を出し、利用者を拡大する。毎月4枚借りられる定額プランを80円下げて900円に、毎月8枚のプランを90円下げて1800円にする。旧作を1枚ずつ99円で借りられるプランも新設する。
 楽天は同サービスを2007年10月に開始。会員数は前年比3割増のペースで増えているが、カルチュア・コンビニエンス・クラブの「TSUTAYA DISCAS」(会員数87万7000人)とは開きがあり、値下げで需要を喚起する。
 今回の値下げにより、同様のサービスを手がけている大手の中では楽天が最安値になるという。

日経社説
生活や景気にも目配りした貸金規制に
 大塚耕平・金融担当副大臣を座長とする政府の検討チームが、改正貸金業法を当初の予定どおり、6月に完全施行する方針を決めた。消費者金融からの個人の借入総額を年収の3分の1以下に抑える総量規制を導入し、貸付上限金利を29.2%から20%に下げる。
 貸金業法の改正は、個人がお金を借りすぎて返せなくなる問題を解決する目的だ。施行に当たっては借り手の負担軽減と同時に、生活のニーズや景気への目配りも欠かせない。
 2007年からこれまでに都道府県知事や財務局に登録しない業者への罰則が強化され、業界の自主規制団体として日本貸金業協会が設立された。総量規制の導入と上限金利の引き下げは、改正貸金業法の段階的実施の最終段階にあたる。
 検討チームが試案として24日に発表した方針は、6月18日までに改正法を完全施行すると確認する一方、生活や景気に配慮した激変緩和の対策にも言及した。
 まず、年収の3分の1超の借り入れがある人が長期の返済計画を立てられるよう、金利の低い債務に乗り換えるための新規借り入れを総量規制の対象から外す。
 日本貸金業協会の調べでは、1000万人強の消費者金融の利用者の5割は、年収の3分の1超の借り入れがある。医療費などすぐには削れない費用のためにお金を借りている例もあるだけに、債務の乗り換えをしやすくする措置は妥当だ。
 中小・零細企業などで事業用の資金を経営者が借りている場合には、総量規制を事実上、緩める。改正貸金業法にある、返済計画を出せば総量規制の枠外で融資を受けられるという例外規定の使い勝手をよくするため、提出書類を簡単にする。
 資金繰りに窮した経営者が、反社会勢力が営むヤミ金融に走るようなことがあっては本末転倒だ。同時に、まっとうな事業に必要なお金の流れが目詰まりを起こして景気の回復を妨げるような事態が起きないように、細心の注意が要る。
 試案は、商工会議所に中小企業向けの資金支援の拡充を求めるなど、個人事業主を念頭に安全網を整備する必要性を強調している。法律の施行後に経営の苦しい企業が増えるようなら、政府系金融機関などを使った資金繰りの支援などを、追加的に実施する必要もあるだろう。
 お金の貸し借りは本来、自己責任が原則。規制がなくても多重債務が社会問題にならないような社会を目指して、金融に関する教育を充実させることも、長い目で見た課題だ。

【産経主張】無償化と子ども手当 疑問多い外国人への支援
 ■日本のためになる制度設計を
 鳩山政権が看板政策としていた子ども手当法が成立した。高校授業料無償化法案も近く成立の見通しだ。
 子ども手当は中学卒業まで1人月1万3千円を支給する。高校無償化は公立高校で授業料を徴収せず、私立高校生には世帯の年収に応じて年約12万〜24万円を高校側に一括支給する。
 日本の少子化は急速に進んでいる。これまで後回しにされがちだった子育て支援政策を拡充したという面では意味がある。だが、外国人への支給要件をはじめ制度の中身は、あまりにも問題が多い。参院選前の支給を急ぐあまり、精緻(せいち)な設計を怠ったツケと言わざるを得ない。鳩山政権はただちに問題点を洗い出し、制度設計を根本的に見直すべきである。
 ◆クルクル変わる政策理念
 子ども手当と高校無償化の制度上における大きな問題点は、目的や効果がいまだにはっきりしないことだ。鳩山政権は「少子化対策」から「福祉施策」、「景気対策」まで、その場しのぎの説明を繰り返してきた。あいまいな政策理念では、きちんとした制度設計ができるはずがない。
 数ある課題の中でもとりわけ問題なのが、外国人の取り扱いだ。高校無償化法案では、私立高校などの在学生について支給対象を「日本国内に住所を有する者」としている。このため日本にある外国人学校の生徒へ支給される可能性がある一方、海外に住む日本人高校生には助成されない不公平が生じる。
 川端達夫文部科学相は国会答弁で、中華学校やドイツ、フランス系など教育課程が確認でき、本国の高校と同様の教育課程の外国人学校のほか、インターナショナルスクールなど国際評価機関の認定を受けている学校について支給対象とする方針を表明した。
 だが、教育基本法は「すべて国民は、ひとしく、その能力に応じた教育を受ける機会を与えられなければならず」と対象を「国民」に規定している。今回の法案は、この基本原則から外れている。国籍要件の盛り込みこそ検討すべき課題である。
 外国人を対象から外す場合、教育の機会均等という目的が損なわれるとの指摘もある。だが、日本の多くの学校の入試は外国人にも開かれており、「無償化されなければ機会を奪われる」というのは乱暴だ。低所得で進学が難しい外国人世帯には別途、支援策を講じる方法もあるのではないか。
 ◆置き去りの「国籍」要件
 さらに問題なのが、国交がなく教育課程が把握できない朝鮮学校の扱いだ。文科省は専門家の検討機関を設け、審査の仕方や判断方法を含め支給の是非について夏までに決めるとしている。
 朝鮮学校問題について、鳩山由紀夫首相らは「教科の内容で判断しない」としている。だが現代史などの教科書をみると、故金日成主席、金正日総書記父子を神格化する独裁者への個人崇拝教育など民主主義社会とは相容(い)れない。北朝鮮や朝鮮総連の強い政治的影響力を受けている朝鮮学校への支給に国民の理解は得られまい。
 外国人の取り扱いの問題点は子ども手当も同じだ。外国人が対象となり、海外に居住する日本人が外れるという矛盾が生じる。日本人の出生数減少に歯止めをかけようという本来の目的から大きく外れると言わざるを得ない。
 それどころか、子ども手当は支給条件に「子供の日本国内居住」を義務付けていないため、外国人が母国に残してきた子供にまで支給される。手当の財源は日本国民の税金だ。子供が外国で暮らしているケースにまで支給するのは、あまりにおかしい。
 政府は、自治体が相手国の証明書類などを厳格チェックすることで対応するとの考えを示しているが可能なのか。自治体関係者からは不安の声も上がっている。
 野党は「支給額が大きく、虚偽受給が横行する可能性がある」として法案修正を求めたが、長妻昭厚生労働相は「平成23年度の制度設計見直し時に検討する」とした。制度の不備であり、早急に対応すべきだった。これら外国人の取り扱いも考え直すべきだ。
 法案づくりの過程はほとんど公開されなかった。所得制限を設けなかったことも再考すべきだ。バラマキ批判だけでなく、少子化対策の効果としての疑問も出ている。低所得世帯を手厚くするなど、国民のニーズをきめ細かくとらえたメリハリのある支援策に改めなくてはならない。

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