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日米欧、時価会計一部凍結へ 金融危機封じへ非常手段
 日米欧が一斉に、金融機関や企業が保有する債券や証券化商品などの金融商品を時価で評価する時価会計の適用を一部凍結する方向で動き出した。日本は民間の企業会計基準委員会(ASBJ)が16日、時価評価の対象外になる範囲を拡大するなど会計基準を見直す検討を始めた。市場の混乱を受けて時価会計凍結を検討する米国や、見直し策を打ち出した欧州に追随する。世界的な金融危機を封じ込めるため緊急措置に踏み切る。
 日本の会計基準を作るASBJは16日の会合で「金融商品に関する会計基準」の見直しで一致した。年内にも改正案をまとめる見通し。これを受け、金融庁が金融商品取引法の関係政省令で最終決定する。適用時期は未定だが2009年3月期から適用する可能性がある。

世界同時不況の様相 9月の米鉱工業生産34年ぶりの下げ幅
 世界同時不況の様相が強まってきた。金融危機は、実体経済の急速な悪化へと局面を移した。経済変調は主要国から新興国へ波及し、一部で景気後退(リセッション)懸念がくすぶる。市場は金融安定化策が出そろったのを見て、弱い材料が続出する景気に不安な視線を向け始めた。
 米連邦準備理事会(FRB)が16日発表した9月の鉱工業生産指数は前月比2.8%低下し、1974年12月以来ほぼ34年ぶりの大きな落ち込みとなった。15日のニューヨーク株式市場で史上2番目の下げの主因となったのは小売売上高の不振。生産、消費と連日、米景気の悪化が明らかになる。サンフランシスコ連銀のイエレン総裁は「米経済はリセッション入りしたようだ」と公言した。
 ドイツ政府は16日、2009年の経済成長率見通しを4月時点の1.2%から0.2%に大幅下方修正した。

マツダ株の引き受け、損保5社にも打診 米フォード
 米フォード・モーターが傘下のマツダの株式について、東京海上ホールディングスや三井住友海上グループホールディングスなど損害保険大手5社に取得を要請したことが16日、明らかになった。各社に1%程度の引き受けを求めているとみられる。5社は取得する方向で検討に入るもようだ。
 損保は自動車保険でマツダグループと取引があり、株式を引き受けると、関係強化につながる。マツダ株を巡っては、総合商社やデンソーなど部品メーカーも株の取得を検討している。

東宝の興行収入「ポニョ」などヒットで過去最高 1―9月
 東宝の2008年1―9月の興行収入は累計で600億円を超え、過去最高だった07年通年の収入(595億円)を9カ月で上回った。前年同期比では42%増。「崖の上のポニョ」や「花より男子ファイナル」などヒット作が相次いだため。10月以降も「容疑者Xの献身」など話題作が貢献する見通しで、通年で650億―700億円に届く可能性がある。
 「ポニョ」は7月の公開から31日で100億円を突破。その後も伸びており、年内に150億円に達するとみている。東宝が08年に配給する作品では断トツの興行収入となりそうで、邦画興行収入で歴代5位以内に入るのは確実だ。2位は「花より男子」で80億円弱。
 単月ベースで9月は東宝全体で約78億円と過去最高となった。8月末から上映している「20世紀少年」、10月公開の「容疑者Xの献身」は、それぞれ年末までに40億円の興行収入を期待している。

米シティ、7―9月最終赤字28億ドル メリルも51億ドル赤字
 【ニューヨーク=松浦肇】米大手銀シティグループが16日発表した7―9月決算は、最終損益が28億1500万ドル(約2800億円)の赤字(前年同期は22億1200万ドルの黒字)となった。最終赤字は4.四半期連続。融資債権を裏付けにした証券化商品の評価損が膨らんだうえ、カードや住宅ローン事業では焦げ付きを引き当てる貸倒引当金が増加した。同日発表のメリルリンチも51億5200万ドル(約5100億円)の最終赤字(同22億4100万ドルの赤字)だった。
 昨年半ばから本格化した信用収縮を受け、米金融機関では証券化など法人ビジネスから個人向けに損失計上の波が広がっている。財務体質の改善を目指しているシティグループなどの大手銀が与信枠を絞り込めば、個人消費など米経済全体に影響する可能性がある。
 シティグループは運用や販売在庫として抱えていた証券化商品などの評価損で44億ドル、貸倒引当金の積み増し分も前年同期から42億ドル拡大した。証券化商品は担保となる住宅ローンの価値が低下しているうえ、個人金融部門では顧客の住宅ローンやカード融資で延滞債権が増えたのが響いている。

JT、たばこ事業効率化 国内工場、人員3割削減
 日本たばこ産業(JT)は3年後をメドに、国内たばこ工場の従業員の3割にあたる約500人を削減する。3年間で約500億円を投じ、世界最速の最新鋭設備などを順次導入、生産効率を高めて省人化を加速する。国内たばこ市場の縮小を受け、同社は約20年で工場数を4分の1に縮小し人員も減らしてきた。今後は効率化投資による人員削減を進めてコストを圧縮、一段の需要減に対応する。
 国内でたばこ生産に携わる人員は現在、約1700人で、3年後をメドに1200人にする。定年退職などの自然減で対応。人件費などを中心に年数十億円規模のコスト削減効果があるとみられる。

ブラジル鉄鉱山を共同保有へ、日韓7社と現地資本が合意
 新日本製鉄、JFEスチールなど日本の鉄鋼大手5社と伊藤忠商事の企業連合が、ブラジル鉄鋼大手CSNが同国内に保有する鉄鉱石の鉱山子会社「ナミザ」に出資することで基本合意したことが16日明らかになった。
 韓国の鉄鋼最大手ポスコも出資に参加する見通しだ。近く正式調印する。
 鉄の原料に使う鉄鉱石は海外の資源大手が生産を独占し、世界的な価格高騰をもたらしている。各社は鉱山を共同保有して安定的に調達し、資源高時代の生き残りを図る。
 企業連合には、住友金属工業、神戸製鋼所、日新製鋼も参加する。伊藤忠や各社はナミザに計約40%を出資し、ブラジル南東部にある鉱山の採掘権や、港湾に積み出す鉄道の使用権を取得する。投資総額は3000億円を上回る見通しで、伊藤忠が全体の約4割を負担する計画だ。CSNは残る60%を継続保有する。
 日本は鉄鉱石を海外に依存しており、輸入量(約1億3000万トン)の8割を豪州、ブラジルが占める。ただ、調達先のBHPビリトン、リオ・ティントなどの資源大手は、中国をはじめ世界的に鉄鉱石需要が急増していることから、価格交渉で強気に出ている。

08年の米新車販売「1400万台も厳しい」 自工会会長が見通し
 日本自動車工業会の青木哲会長(ホンダ会長)は16日の記者会見で、今年の米新車販売台数について「1400万台も厳しい状態」と述べ、前年比で200万台以上減るとの見通しを明らかにした。米国を発端とする金融不安で、消費低迷が深刻化しているという。
 自工会が米市場の1400万台割れに言及したのは初めて。今後も「当面厳しい状況が続く」との認識を示した。欧州市場の低迷や新興国の伸び悩みも指摘した。
 世界的な株安については「金融不安に加え、米国の金融安定化法の実効性への懸念などが響いている」と分析したうえで、「急激な変動は個人消費や企業業績にも影響が及ぶ」と述べ、日米欧の政府や金融当局に安定化策の早期実施を求めた。

ノキアの08年7―9月期、純利益30%減 携帯販売、大幅減少で
 【ロンドン=清水泰雅】携帯電話機世界最大手のノキア(フィンランド)が16日発表した2008年7―9月期決算は、純利益が前年同期比30%減の10億8700万ユーロ(約1500億円)だった。欧州と北米市場で、携帯電話機の販売が大幅に減少した。減益は2.四半期連続。携帯電話機市場は世界的に減速感が一段と強まっており、ノキアの不振も長引く可能性がある。
 売上高は5%減の122億3700万ユーロだった。主力の端末部門は欧州市場で販売台数が6%減となったほか、北米でも17%減と大幅に落ち込んだ。アジア太平洋市場など新興国の伸びで、全体では6%程度の伸びを確保した。ただ、全体の販売単価は前年同期の82ユーロから72ユーロに低下した。

追加経済対策で定額減税2兆円超、補正予算成立で首相指示
 2008年度補正予算は16日夕の参院本会議で、与党と民主党などの賛成で可決、成立した。
 麻生首相は金融危機にさらなる対応が必要だと判断し、全閣僚と与党幹部に同日夜、新たな経済対策の策定を指示した。27日にもまとまり、柱となる定額減税の規模は2兆円超に及ぶ見通しだ。首相は10月末の衆院解散、「11月18日公示―30日投開票」の衆院選を想定しており、経済対策はその布石となる。
 補正予算は総額1兆8080億円で、中小企業向け融資の新たな信用保証制度などを盛り込んでいる。予算関連法案の臨時交付金特例法も成立した。
 首相はその後、首相官邸で政府・与党会議を開き、「今の状況は金融危機で、100年に1度起きるか起きないかという話もある」と述べ、対策策定を指示した。財源については、「赤字国債に極力依存しない」とした。与党では、財政投融資特別会計の金利変動準備金の一部を「埋蔵金」として活用する案も出ている。
 定額減税については、「金額と財源を明らかにしたい」と語った。4人家族で6万円程度、総額2兆円を超える規模とする案が有力だ。今年度中に実施する。

日経社説 追加経済対策は量より効果優先で(10/17)
 中小企業の資金繰り支援などの景気対策を盛り込んだ2008年度の補正予算が成立した。政府・与党は世界的な金融危機の広がりなどを受けて、追加的な対策を検討している。経済情勢に応じて柔軟に施策を打ち出すのは当然だが、内容は効果のあるものに的を絞るべきである。
 16日の東京株式市場では日経平均が急反落し、市場がなお不安心理に覆われていることを示した。米欧が包括的な金融安定化策を打ち出したものの、金融危機は収束していない。金融市場の安定化にはまだ時間がかかるだろう。米国景気もこれから一層悪くなりそうで、世界経済の低迷が長引く可能性も出ている。
 こうした状況を受けて、政府・与党は今月末に追加的な経済対策をまとめる方針だ。8月末に決めた総合経済対策は主に原油など資源高による打撃の緩和を狙ったもので、金融危機やそれに伴う世界経済の一段の悪化には対応していない。新事態に応じた対策を打つのは意味がある。
 最も重要なのは、米欧で広がる信用収縮の波が日本に及び、金融環境が急激に悪化するのを防ぐことだ。
 日本の金融システムは安定しており、米欧と同じメニューは必要ない。だが、地方の金融機関では不良債権処理額の増加や株安に伴う含み損で、経営が苦しくなるところも出ている。景況悪化の中で、貸し出し回収などの動きも目立ってきた。
 信用度に応じて融資姿勢を変えるのはおかしくないが、自己資本が足りないために貸し出しを絞り込むようだと、経済を下振れさせかねない。政府は地方の中小金融機関への予防的な資本注入を可能にする法案を提出する見通しだが、必要ならそうした枠組みを使った公的資金の活用もためらうべきでない。
 政府・日銀は、金融市場の不安定化によって金融機関や企業の資金調達が苦しくなることがないよう、十分に注意していくべきだ。
 政府・与党内ではすでに示している定額減税に加え、住宅ローン減税の延長・拡充や証券優遇税制の延長なども検討されている。景気の下支えは必要だが、中身は中長期的な経済活性化に役立つかどうか、財政コストに対してどれだけの効果が出るかなどを考えて決めるべきだ。問われるのは量より質である。
 経済対策というと、おカネをどれだけつけるかに関心が集まりがちだが、起業や事業展開を阻害する規制をなくしたり、将来の不安を解消する社会保障改革を進めたりするのも重要な経済刺激策であることも指摘しておきたい。


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