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グーグルがブラウザー「クローム」で狙う新しい市場 <COLUMN>
 米グーグルが9月2日(現地時間)、独自ブラウザー「Chrome(クローム)」を公開した。それは、世界100カ国、40言語以上に対応する大プロジェクトで、一部の報道では公開後数時間でブラウザー市場の2.74%を占め、あっという間に「オペラ」の占有率を追い越してしまった。一般メディアは、マイクロソフトへの挑戦状と書き立てるが、グーグルの本当の狙いはどこにあるのだろうか。
■謎に満ちたグーグル・クロームの発表
 今週の米テック系メディアには、クローム旋風が吹き荒れている。各メディアはブラウザーの比較テストやセキュリティー問題などについての詳しいリポートを発表し、一部のブロガーは自動更新機能や作り込み不足などにクレームをつけている。さっそく「セキュリティー上の脆弱性が見つかった」と報告する記事もある。とはいえ、マイクロソフトの独占するブラウザー市場への「新たな挑戦者」として、多くのメディアが好意的な論評を出している。
 しかし、ほとんどのリポートはクロームの機能紹介や技術解説に終始し、同ブラウザーの戦略的な意味について触れている記事はあまり見あたらない。実際、クロームについては、いまだに疑問が解けないいくつかの謎がある。
 そもそも、マイクロソフトが"無料"で提供しているブラウザー市場に、なぜグーグルは参入しなければならないのか。また、ダウンロードして使ったユーザーはすでに感じていると思うが、現在のクロームは作り込みが甘く、細部の要素が抜け落ちている。なぜ、このような"素顔"の段階で発表したのか。さらに、クローム向けに最適なウェブページをチェックできるツールを充実させているのはなぜか……。こうした点をグーグルは明らかにしていない。
■なぜ、独自のブラウザーが必要なのか
 グーグルは、オープンソースのブラウザー「ファイヤーフォックス」を長年支援しており、それは今後も続く。クロームが「グーグルの広告を自動的に表示する」といった機能でも備えていれば、すんなりと理解できるのだが、今のところそうした機能はない。ファイヤーフォックスではなく、なぜ独自のブラウザーが必要なのだろうか。
 9月1日付の同社公式ブログに立ち返り、その発表内容を読み返してみよう。
 「なぜクロームを開発したのか。それはユーザーに便利さを提供し、同時にウェブの革新を促せると信じているからだ」
 グーグルのSundar Pichai氏(製品担当副社長)はこう述べている。この「ウェブの革新」がクロームの戦略的な意味を表しているのだが、その詳細についてブログは語っていない。
 もっとも素直な推測は「既存のブラウザーではグーグルが今後展開するサービスを十分に提供できない」というものだろう。クロームは速度を上げるため独自のJavaScriptエンジンを開発するなど、いくつかの革新的な試みを行っているが、最大の特徴はマルチ・スレッドという点にある。これは、ウェブを開いたタブがそれぞれ独立しているということで、たとえひとつのタブがトラブルで閉じてもほかのタブには影響が及ばない。
 情報を閲覧するためのウェブサイトであれば、急にタブが閉じても開き直せば問題はない。ところが、現在のコンピューターソフトは操作画面にブラウザーを使うことが増えている
 たとえば、グーグルが提供しているウェブアプリケーションの「Google Apps」は、ワープロや表計算、プレゼンテーションソフトなどをブラウザー上で利用する。同社は企業向けGoogle Appsの有料化に力を入れているが、現在のブラウザーはあまりに脆弱で「企業レベルのサービスは提供できない」とグーグルは感じているのだろう。今後、同社がこうしたソフトウエアサービスで収益を上げようとすれば、もっと堅牢なブラウザーを用意する必要がある。その役割を担っているのがクロームにほかならない。
 同社のサイトでは、ひとつのウェブページを複数で利用する双方向サービスを紹介したり、クロームに最適なウェブサイトを設計するためのチェックツールを提供したりしているが、クロームがアプリケーションを走らせるためのブラウザーと考えれば納得がいく。
■素顔のブラウザーが意味するもの
 ダウンロードして使ったユーザーが一様に感じるように、現在のクロームはブラウザーの素顔というか、化粧っけなしの状態である。たとえば、ブックマークの整理機能や電子メールとの連係機能も不十分で、デザインの作り込みもない。2004年11月に発表されたファイヤーフォックス1.0と比べてもあまりに素っ気なく、拍子抜けした人も多いだろう。なぜ、こんな未整備の状態でグーグルはクロームを公開したのだろうか。
 推測するに、アプリケーションブラウザーという市場がまだ本格化していないため、具体的な作り込みを行う方向が「定められなかった」のだろう。情報を閲覧するためのブラウザーであれば、ブックマークやダウンロードなどの使い勝手を追求すればよい。つまり、既存のブラウザーと同じデザインを踏襲すればよいということになる。
 しかし、アプリケーションブラウザーであれば画面で走るソフトウエアが主役であって、ブラウザーは逆に目立たない方がよい。クロームの操作バーは、URL入力と検索窓を統合するなど重複部分を減らし、ステータスバーなどの煩雑な表示もない。アプリケーションの邪魔をしない工夫と考えれば、このデザインもなんとなく理解できる。
 また、素っ気ないデザインは、同社のウェブアプリケーションとの関連ではないかと想像できる。個人、中小企業向けに同社はSaaSやPaaS、Cloud Computing系の環境を整備している。SaaSはウェブアプリケーションのことで、Google Appsにあたる。また、PaaSはウェブアプリケーションの開発運用プラットフォームで、最近発表したGoogle App Engineと思えばよい。そして、Cloud Computingは、同社のウェブサービスを支えている最先端データセンターというわけだ。
 たぶん、こうしたウェブアプリケーションとの関連を深めながら、クロームはデザイン的にも機能的にも発展していくのではないだろうか。
◇   ◇   ◇
 こうして考えると、グーグルの次世代戦略には独自ブラウザーが欠かせない。逆に、マイクロソフトが君臨する情報表示型ブラウザー市場を切り崩すことは、クロームの使命では必ずしもない。その目的は、ウェブサービスやマッシュアップ、そしてCloud Computing時代に最適なアプリケーションブラウザー市場を開拓することにある。ウィンドウズOSでマイクロソフトが時代を席巻したように、クロームはグーグル王国を築く礎となるかもしれない。

個人向け債券の発行急増 1―8月、前年比3倍
 国内外の企業が日本の個人投資家向けに発行する債券が急増している。今年8月までに発行された普通社債(SB)と円建て外債(サムライ債)の合計額は8000億円強と、前年同期の3倍に達した。金融市場の混乱を背景に、資金調達先を分散したい企業が株式などのリスク資産から逃避する個人マネーを取り込む動きを強めている。来週には野村ホールディングスとシティグループが起債する予定。世界の社債発行規模が縮小するなか、比較的安定した日本市場の堅調さが目立っている。
 社債とサムライ債の発行額は8月末時点で8411億円と前年同期の3.2倍に増加した。来週には野村とシティが個人向け債券を発行する予定だ。いずれも3年物で表面利率はそれぞれ0.7―1.7%、2.5―3.5%程度とみられる。発行額は現在調整中。このペースが続けば、年間で過去最高だった2001年(1兆2000億円強)を上回る可能性もある。

米住宅公社支援、公的資金注入で最終調整 米紙報道
 【ワシントン=米山雄介】米財務省は5日、政府系住宅金融会社の連邦住宅抵当公社(ファニーメイ)、連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)の支援策の取りまとめで最終調整に入った。政府が公的資金で両社の株式を買い上げ、事実上、公的管理下で業務の継続を図る方向。世界経済の不安要因である米金融システム問題は、住宅金融の中核を担う両社の経営に政府が直接介入する事態に発展する。
 米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)など有力紙が一斉に報じた。公的資金注入を含む支援策は早ければ今週末に発表の見通し。
 同紙によると、ポールソン米財務長官や米連邦準備理事会(FRB)のバーナンキ議長ら監督当局は同日、ファニーメイとフレディマックの経営陣と支援策について断続的に協議。両社は支援策の受け入れに同意したもようだ。

金総書記に健康悪化説 訪朝の中国人医師戻らず 韓国紙
 【ソウル=水沼啓子】北朝鮮の金正日総書記(66)が3週間以上公式の場に姿を現しておらず、健康悪化説が再び広がっている。6日付の韓国紙、朝鮮日報が報じた。
 金総書記は8月14日、朝鮮中央通信が「第1319軍部隊を視察した」と報じて以降、公式の場に姿を見せていない。
 朝鮮日報によると、韓国政府の情報筋は「1週間前ぐらいに中国の医師5人が北朝鮮を訪問したまま、まだ戻っていないという情報がある」とし、「他の北朝鮮の高位クラスの要人を診療するために北朝鮮を訪問したことも考えられるが、金総書記の可能性もある」と話した。さらに「9日は北の建国60周年の記念日だが、金総書記が姿を現さなければ健康に問題がある可能性が高い」という。
 金総書記は建国50周年と55周年の際は行事に出席した。現在、糖尿病と心臓病などの持病があるとされるが、「心臓手術説」が流れた昨年5月にも1カ月ほど姿を消した。今年5月末には「事故説」も出た。
 これに対し、韓国政府当局筋は「建国60周年の準備と核問題などで公式活動を減らしているのではないか」と分析。情報機関「国家情報院」は「金総書記の健康に問題があるという情報はない」と否定しているという。

「ネットスーパー」商機 生鮮食品など即日宅配 大手・中堅が事業強化
 スーパー各社が、顧客からインターネットで注文を受けて生鮮食品や日用品を宅配する「ネットスーパー」事業を強化している。店に行かずに商品を買える利便性が受けて利用者が急増しており、需要拡大を見込んでサービスをてこ入れする事業者や新規参入する企業が相次いでいる。
 ネットスーパーは顧客が注文した当日か翌日に近隣店舗から商品を届ける買い物代行サービスで、従来の贈答品中心のネット通信販売とは異なる。配送料などが数百円かかるが、購入額によって無料になる場合もある。
 子育て中の主婦や妊婦、働く女性の利用が多く、高齢者や事業所の利用も増えている。最近はガソリン高で自動車を使って買い物に行くのを控える消費者も多く、利用件数が拡大している。

トヨタ、米新車販売見通し厳しく カナダ工場増強も先送り
 【ニューヨーク=武類雅典】トヨタ自動車の渡辺捷昭社長は5日、ニューヨークで開いた経営説明会で記者団に対し、今年の米新車市場の販売台数について「1450万台の確保は厳しいだろう」と述べた。従来は1400万台半ばと予想していたが、需要低迷が長期化。当面は「市場全体を1400万台ぐらいと想定して経営したい」と話した。一方、カナダの生産会社は同日、今秋に稼働する新工場の生産計画見直しを表明した。
 米新車販売台数の2007年実績は1600万台超。渡辺社長は「7月が販売低迷の底だったかもしれない」としながらも、需要が大幅に回復していく可能性が小さいと指摘した。「12月までは年率1350万台ほどの販売ペースで推移するだろう」と述べた。
 トヨタのカナダ生産会社TMMCは、今年11月ごろに稼働するカナダ第2工場(オンタリオ州)の生産計画修正を公表。当初の予定通り操業を開始するものの、来春に予定していた生産能力の倍増は先送りする。

EU、ロシアへのエネルギー依存「新たな脅威に」 外相会合
 【アビニョン=下田敏】欧州連合(EU)は5日に仏南部アビニョンで開いた外相会合で、ロシアへの過度のエネルギー依存が安全保障上の「新たな脅威になる」という認識で一致した。グルジア紛争を巡るロシアとの関係悪化で、将来的にロシアからの石油や天然ガスの供給が滞る恐れがあるため。EUは今後、ソラナ共通外交・安全保障上級代表を中心に安全保障戦略の見直しに着手する方針だ。
 同日のEU外相会合では、ソラナ外交代表が気候変動や食料危機に加えて「エネルギー問題が(安全保障上の)新たな対象になってきた」などと報告。石油や天然ガスの調達先をロシア以外にも広げる必要があると訴えた。EUはエネルギーの輸入量の3―4割をロシアに頼っており、グルジア紛争に絡んでロシアが供給停止などの資源外交を強めるという懸念が出ている。
 これに関連して、欧州委員会のフェレロワルトナー委員(対外関係担当)は「特に米国との関係が重要になっている」という考えを表明。


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