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主要製造業、新興国で23%稼ぐ 地域別利益が米欧と逆転
2008年4―6月期に主要製造業が中国など新興国で利益全体の23%を稼ぎ、米欧の合計(19%)を逆転したことが分かった。かつては世界最大の米市場開拓が海外戦略の柱だったが、グローバルな生産・販売体制を構築するため中国などに積極投資した結果、新興国の利益割合は4年足らずでほぼ2倍になった。米欧で景気減速感が強まっていることも一因。今後はリスク管理など新興国での経営が一段と重要になる。
株式時価総額の大きい製造業50社が開示した地域別営業利益から分析した。このうち07年4―6月期との比較が可能な34社でみると、新興国の利益割合は08年4―6月期で25.3%と前年同期より9.4ポイント上昇した。
大手百貨店、若者集客へ改装 価格帯下げ、専用売り場も
大手百貨店が今秋、若者の集客を狙い売り場を改装する。三越伊勢丹ホールディングス傘下の伊勢丹は新宿本店(東京・新宿)に女子学生向け売り場を初めて開設。東急百貨店と小田急百貨店も都内で、若者が買える割安な商品を増やす。株安などで高額消費が振るわないためで、価格帯引き下げをテコに中高年中心の営業戦略を転換し、低迷する業績の底上げを目指す。
伊勢丹新宿本店は9月3日、地下2階(1000平方メートル)を10代後半から20代前半向けの婦人服売り場に切り替える。割安なジーンズや、親の購入を期待できる高価なドレスなどをそろえる。伊勢丹が同世代に絞った売り場をつくるのは初めて。新宿本店の改装投資は昨年の食品と、今後2年程度で実施する婦人服などを合わせて140億円。
PFIの受注価格、資材高騰反映しやすく 内閣府改革案
内閣府はPFI(民間資金を活用した社会資本整備)の利用を促すための改革案をまとめた。資材価格高騰が受注企業の負担増になる問題があることから、資材の大幅な値上がりを受注価格で調整できる仕組みを導入。自治体の都合で契約を解除する際の条件も整え、民間事業者のリスクを軽減する。財政再建のため国や地方自治体が公共事業を抑制する中で、民間主導で効率の高い社会資本整備を支援する。
PFIは英国で1990年代に普及。日本でも99年の推進法成立をきっかけに広がった。5月末時点で羽田空港旅客ターミナルビルなど310事業あるが、新規の事業件数は年間40件程度で横ばいになっている。
日銀、景気判断下方修正へ 18日から決定会合、金利据え置き
日銀は18日から2日間の日程で金融政策決定会合を開き、経済情勢や市場動向について議論する。景気判断については4―6月期の実質国内総生産(GDP)が前期比年率で実質2.4%のマイナスとなったことなどを受け、前月の「さらに減速」から下方修正し、景気の停滞色をにじませる方向。政策金利は現行の年0.5%で据え置く見通しだ。
日銀は7月の前回会合で景気の基調判断を下方修正したが、政策委員の間では最近発表の経済指標で「景気情勢が一段と厳しくなった」との認識が強まっている。とくに輸出や生産、個人消費などの勢いが弱まっているとの見方が出ている。
電炉、夏の減産強化 休止延長や稼働率下げ
電炉各社は毎年夏に実施している鋼材の減産を強化し、建設用鋼材の生産を削減する。合同製鉄は生産休止期間を長くするほか、中山鋼業(大阪市)は設備稼働を抑えて減産幅を拡大する。マンションなどの建築需要の減少や原材料の鉄スクラップ価格の高騰で採算が悪化しており、需要に見合った生産を徹底し、収益回復に取り組む。
合同製鉄は船橋製造所(千葉県船橋市)で生産停止期間を8月20―31日までの12日間に延長する。通常は1週間程度だが、今年はマンションやビルなどの建設需要の低迷で、鉄筋用棒鋼の需要が落ち込んでいるのに対応。減産幅は昨夏に比べ1割強大きくなる見通し。生産停止に合わせて製鋼と圧延工程の改修工事も実施し、生産効率化も進める。
株券電子化、官民連携で準備加速 金融庁も点検チーム
来年1月5日に予定する株券の電子化まで5カ月を切り、金融庁と日本証券業協会、証券保管振替機構(ほふり)と民間金融機関が協力して準備態勢を強化する。官民連携のために設置している業界横断的な会議で9月から役員級の会合を毎月開き、作業工程を綿密に管理する。金融庁はシステム担当の検査官の専門チームを検討。ほふりや証券会社のシステムの早期対応を促すとともに、専門的な目で点検し、電子化の切り替えを万全にする方針だ。
株券電子化は約4000社の上場企業の株券を電子データに置き換える作業。現在流通している紙の株券は無効になる。約240の証券会社がシステム対応を迫られているが、証券会社の一部で取り組みの遅れが指摘され、日本証券業協会が危機感を募らせている。対応できなければ、電子化後、その証券会社は上場株券を扱えなくなり、混乱を招く恐れがある。
補正予算は数兆円規模 森、古賀両氏が強調
自民党の森喜朗元首相、古賀誠選対委員長は17日、テレビ朝日の「サンデープロジェクト」に相次いで出演し、景気対策として数兆円規模の大型補正予算案を次期通常国会に提出すべきだとの考えを示した。公明党も年内解散を念頭に大型補正予算を求めており、8月末の政府の総合経済対策のとりまとめに向け、政府・与党で激しい駆け引きが続きそうだ。
森氏は原油高や食料品高騰などによる景気後退を「生やさしい流れではない」と強く懸念。「いろいろな災害もあり今年度予算の予備費はほとんどない。お金がなければ(政府の総合経済対策は)絵に描いたモチになる。どうせやるならばしっかりとした補正予算を出すべきだ。チマチマ出しても役に立たない」と述べ、大型景気対策の必要性を強調した。
また、小泉純一郎元首相が進めた構造改革を「改革を進めたことが本当によかったのか。そのことで苦しむ人、悩む人、傷付く人を全部切り捨てたイメージができ、地方の怒りが昨年の参院選の結果に出た」と批判し、改革路線の見直しを求めた。
一方、古賀氏も「思い切った景気対策を打つべきだ。赤字国債に頼らなくても財務省に知恵を出させれば2〜3兆円は出せる」と述べ、特別会計の剰余金など「埋蔵金」を活用し、大型の補正予算を組むべきだとの考えを強調。財政規律を念頭に「赤字国債に安易に頼ってはいけない。これは絶対条件だ」と述べ、財源確保が今後の焦点になるとの見通しを示した。
また、古賀氏は、後期高齢者医療制度を含む一連の社会保障制度改革について「いったん凍結し、一からやり直すべきだ。税制の抜本的な検討と合わせて工程表を作ったらいい」と述べ、先送りを求めた。
ポスト福田は「麻生氏」 森元首相が認識
自民党の森喜朗元首相は17日のテレビ朝日番組で、同党の麻生太郎幹事長について「党としても次は麻生さんに、という気持ち(の人は)は多いと思う。私ももちろんそう思っている」と述べ、ポスト福田の最有力候補との認識を示した。
金融相「投資信託も対象に」 証券優遇税制見直しで
茂木敏充金融担当相は17日、民放のテレビ番組に出演し、株式投資の活性化に向けた証券税制の見直しについて「株式だけでなく投信も含めれば相当のメリット(がある)」と述べ、投資信託も優遇税制の対象に入れたいという考えを明らかにした。その理由として「小口取引の人がもっと投資に向かうためのインセンティブ(動機づけ)が必要だ」と指摘した。
証券税制の見直しをめぐっては、自民党の麻生太郎幹事長が経済対策として1人当たり300万円までの株式投資の配当金を非課税とする案を提唱するなど、様々な意見が出ている。金融相も今夏の税制改正要望に何らかの見直し案を盛り込む方針を表明している。
米リーマン、資産4兆円売却検討 英紙報道
米大手証券リーマン・ブラザーズが財務体質強化のため、保有する不動産や不動産担保ローンなど総額400億ドル(約4兆4000億円)に上る資産の売却を検討していることが明らかになった。複数の企業と交渉を進めているものの価格を巡り開きがあり、売却が実現しない場合には不動産部門を本体から切り離す計画という。
英フィナンシャル・タイムズ(FT)紙が報じた。リーマンはブラックロック、ブラックストーン、コロニー・キャピタルなど米投資ファンドと交渉中で、購入を促すため、売却後に資産価値が目減りすれば最初の50億ドルはリーマン側が負担することも提案しているという。売却するか、別会社とするかは来月に発表する6―8月期決算までに決断する方向としている。
トルコ向け融資、09年開始 ミロー欧州開発銀総裁が表明
中東欧や旧ソ連地域の市場経済移行を支援する欧州復興開発銀行(EBRD)のトーマス・ミロー新総裁は日本経済新聞記者らと会見し、旧共産圏以外の国で初となるトルコ向け融資を2009年に始める方針を明らかにした。旧共産圏の新興国については「我々の投融資への需要が強まる」と予測。欧州開銀の今年度収支は「市場混乱の影響で07年度より減益」との見通しを示した。
総裁は検討中のトルコ向け融資について「10月に正式決定し、09年に現地拠点を開く」と説明。地方自治体の公共事業や中小企業向け投融資を手掛ける計画を示した。
文化財の落書き 公開制限を招く心配がある(8月18日付・読売社説)
懲役や罰金を科すこともできる、れっきとした犯罪だ。悪ふざけで済ますわけにはいかない。
文化遺産の落書き被害が後を絶たない。読売新聞の調査で、国や都道府県指定文化財の破損被害は最近5年間で少なくとも25都府県で45件確認された。落書きが半数以上、国宝の被害も3件あった。
傷つけた人物が特定できたのは7件にすぎない。警察の徹底的な捜査がのぞまれる。
国の重要文化財、群馬県安中市の「めがね橋」(碓氷第三橋梁(きょうりょう))の明治時代のレンガの傷は深くて消すことができない。国の名勝、山口県岩国市の錦帯橋の支柱にもひっかいた傷があった。
ともに世界遺産の登録を目指している。被害が続くと管理不十分とみなされて悪影響も出る。
広島県・宮島の世界遺産エリアの原始林の幹や岩にも塗料が吹き付けられていた。
落書きは自然景観も台無しにしている。国の天然記念物、鳥取砂丘では、棒などでアニメのキャラクターや学校名などを描く被害が頻繁にみられる。
足で踏み固められて風が吹いても消えないため、鳥取県は自然公園内では初の罰則付き落書き禁止条例案を9月議会に提案する。
「50メートル先から見えて10分以上消えない文字や図形」を落書きと定義する。文化財保護法の罰則は5年以下の懲役か禁固または30万円以下の罰金だが、条例案も同額の罰金、原状回復命令に従わない場合は50万円以下の罰金とする。
砂丘では、巡視員が見つけるたびに消している。錦帯橋の傷も市民が修復した。元通りにして心理的に落書きしにくいようにするのは防止策の一つになる。
文化財の防犯対策は所有者にまかされている。監視カメラを設置しているところもあるが、完全に防げるわけではない。被害が止まらなければ、柵で囲う、蔵にしまう、立ち入り禁止にする、など自衛策を考えざるをえなくなる。
これでは、安全を確保できても価値は共有できなくなる。
教科書で学んだ文化財の実物を目のあたりにした時の胸の高鳴りを、だれしも経験したことがあるだろう。心ないいたずらがもとで公開が制限されることは避けたいが、落書きは、そんな事態を招く危険をはらんでいる。
法律だけで被害は防げない。文化遺産や景観を守っていこうという意識を育てることも肝要だ。子供のころから歴史を知り、遺産に親しむ機会を作っていきたい。
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